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◆◇◆ 共感コミュニケーションって何? ◆◇◆ 633号
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(有)テンプルビューティフルの光田菜央子です。
4月(2017年)に蒲田(東京)と仙台でセミナーを開催させていただく『コネクション
・プラクティス』の講師、川口久美子さんのインタビューをアップしました。
『コネクション・プラクティス』は共感をもって自分や他者と繋がりを持とうとする
コミュニケーションメソッド。
どんなものか、そのいったんをこのインタビューから感じていただければと思います。
~インタビューの一部を引用しています~
光田:「非暴力的なコミュニケーション、もしくは共感的な聴かれ方というのは、
例えばどういった会話なのか、例をあげて教えていただけますか?」
川口:「自分の中にある、そして相手の中にもある『本当に大切にしているもの』に
繋がっていく、という考え方なんですね。例をあげると、あるカップルがいて、彼女
が彼にLineを送ったけど全然返事が来ない、24時間経っても返事が来ないというとき
に、普通の伝え方だとこうなると思うんですよ。「私がメッセージ送ったのになんで
読んで返事をしてくれないのよ! 私のことなんて大事じゃないんでしょ!」
そうすると彼の方は「そんなこと言ったって仕事が忙しくて気がつかなかったんだ
よ!」とギスギスした関係になってしまいます。これは共感的ではない対応です。
でも相手が「なんで私のメッセージを読んでくれないのよ!」と言うということは、
その中に、彼女が本当は欲しかったものが隠れています。それを共感的に聴いて彼が
応えると、こうなります。
「そうかぁ、返事がなくて悲しかったんだね。もっと繋がりを感じたり、大切にされ
てる実感が欲しかったの?」
つまりそう言ってきた彼女が本当に欲しかったことに繋がろうとする。それが
NVC(非暴力的コミュニケーション)の考え方です。NVCでは、そういった大切にして
いることや価値観を『ニーズ』と言っているんですが、そのニーズをもとに繋がって
いこうとするのが共感的な聴き方、伝え方です。そのベースには、自分にも相手に
対しても思いやりをもって繋がろうとする、考え方があります」
光田:「久美子さんがコネプラを実践するようになってどれくらいですか? また
コネプラを実践し始めてからの体験談を教えていただけますか?」
川口:「体験談はありすぎるほどありますが、個人的にとても助かっているのはコネ
プラ後、体調がものすごく良くなった、ということです。大病をしたわけではないん
ですが、とにかく以前は疲れやすく、仕事から帰ったらまず2、3時間寝ないと何も
出来ませんでした。(中略) 季節の変わり目には大風邪をひき、1年のうち何度も
寝込んでいました。
何故それを思い出したかというと、フェイスブックの3年前の自分の書き込みに
「今日も調子が悪い、週末は38度の熱を出し寝込んだ」みたいなことを書いている。
今の私からはありえません! この2、3年に知り合った人は「久美子さんはいつも
元気ですねー」とびっくりされ、それ以前の知り合いからは「どうしたの?そんなに
元気になって」とびっくりされるくらいに体調がいいんです。体調が良いだけでは
なくエネルギッシュな状態がずっと続いています。夜もすぐに寝て、パッと目が
さめ、起きたらすぐに活動できる。本当にありがたいなぁと思います。
今、わたしは53歳なのですが、これまでの人生で、今が一番、体調が良くてエネル
ギッシュに毎日活動できています。20代の頃より体感的に、元気です。時間が効率的
に使えるのでとてもありがたいです」
川口:「身体の変化ということで思い出したことがあります。ある女性の参加者さん
がお腹を切って臓器を取られるという手術をされました。手術後の痛みが激しく七転
八倒するような痛みだったそうです。NVCのワークの1つに臓器に共感する、身体や
細胞に共感するというのがあるんですが、身体の声を聴いてみると内臓が嘆いている
のを感じたそうです。
『なんであの臓器を取ってしまったんだ。自分たちの大切な仲間がいなくなったこと
にどう責任とってくれるんだ』という痛みや嘆き、悲しみが伝わってきました。
コヒーランスするとその怒りから痛みが来ていることに気づいたそうです。そして
コヒーランスしながら『辛かったねー、仲間を失わせてごめんねー。辛かったのは
仲間が大事だったんだね、大切にしてほしかったんだね』と細胞や臓器に共感して
いくと、その痛みがサーっと嘘みたいに引き、次の日は痛み止めがなくても過ごせる
ようになったそうなんです。
頭で考えると、こんなことあり得ないじゃないですか。痛みは薬がないと止められ
ないと思いますよね。でもそんな左脳的な考えじゃない発想や気づきが沸いてくるん
です、ハートに聞くと。私たちに必要なのは自分自身に対する共感なんですね。
自分がどれだけ傷ついているか、嘆きや痛みを抱えているか。そこに本当に繋がって
いく。痛みも知ってほしいから痛みを発しているし、病気も何か知ってほしいから
病気になっているのかもしれませんね。それに対し「そうだね。辛かったね、悲し
かったね。これまで分かってあげられなくてごめんね」と共感することで変容が
起こってきます」
光田:「コネプラのワークで、自分の感情やニーズに気づく、感情に名前をつける、
というのがとても面白かったんですが、これについてお話しをしていただいていいで
すか?」
川口:「人は誰でも、子供の頃のトラウマと呼ばれるような出来事があり、それに
似た出来事が起こると無意識に反応してしまうんですね。他人から見ると『そこまで
怒らなくてもいいのに』とか『そこまで怖がらなくでもいいのに』と思うような強い
反応が起きることがありますよね。
これは脳科学の分野になりますが、私たちの脳には偏桃体という部分があり、私たち
の命を守ろうとする役割があります。例えば、犬に咬まれた体験がある人は小さな犬
にでも『また咬まれるかも』と脳の一部の、偏桃体が反応してしまいます。すると犬
を蹴ったり、逃げたり身体が固まったりします。そういった反応を鎮める方法の1つ
が『共感』なんです。
『そうなんだねー。辛かったね、怖かったよね』とその時の感情に『怖かった』
『辛かった』と名前をつける。あー、私は怖かったんだ、辛かったんだと気づくこと
で反応している偏桃体を鎮めることができます。
またコヒーランスも偏桃体を鎮める働きがあります。コヒーランスをすることで、
ゆっくり考え、大脳皮質で理性的に物事をとらえられるようになる。だから子供の頃
怖い思いをしたけど、この犬は小さいし可愛い。『あー、可愛いワンちゃんです
ねー』と言えるようになります。
また、ニーズに気づくというのは、犬の例でお話しすると「本当に欲しかったのは
『身の安全』や『安心』だったんだね。怖かったんだね」とその人のニーズに繋がる
ことでさらに落ち着いていきます。
感情とニーズの関係性は、気持ちは入口。その奥にあるニーズが満たされてないと
『怖い』とか『悲しい』というネガティブな感情になって現れてくる。逆にいうと
ニーズが満たされていると、温かいなぁ、安心だなぁというポジティブな反応に
なって現れてきます。ですからネガティブな感情を悪いものだとは考えていません。
怒っている人がいたなら『あぁ、この人がこんなに怒っているのは、この人の中に
満たされていない大切なニーズがあるんだなぁ。尊重されたいのかなぁ、信頼が大事
なのかなぁ』と感じられるようになってきます。このニーズは、国や人種、性別など
に左右されない、人間が人間として生きるときに必要とされるものです』
~以上引用おわり~
上記でご紹介しなかった部分でも、自分自身や人と共感することで、奇跡のような
出来事が起こったり、あるいは肌の調子がよくなったりと、興味深いエピソードを
お話し下さっています。
その内容は是非、インタビュー全文でご確認下さい。
インタビュー全文はこちら
*クイックコヒーランス法は3ページ目で詳しくご説明しています。
これは私の個人的な体験なのですが、知り合いに、人に対してすぐに攻撃的になった
り、陰口、悪口が大好き!という人がいて、困ったなぁ、どうつきあっていけばいい
かなぁと、ちょっと悩んでいました。その人と会うと「なんであの人はいつもあんな
攻撃的で人の悪口を言い始めるんだろう」とストレスにも感じ、会うことも憂鬱
だったんですが、でも、感情の背後にある「ニーズ」の存在に気がつくことで、
「この人の心には深く傷ついた部分があるんだろうなぁ。この人が必要としている
ニーズは何だろう?」と思うことで、少しだけですが、その人へ気持ちがイライラか
らゆったりとしたものに変わってきました。
そして、その人と一緒にいることが以前より楽になりました。
興味が沸いた方はぜひインタビュー読んでみて下さいね。
それでは、また!
(有)テンプルビューティフル メルマガ633号 2017年3月10日配信