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0578:若松英輔さんの解説による『代表的日本人』

0578:若松英輔さんの解説による『代表的日本人』

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   ◆◇◆ 若松英輔さんの解説による『代表的日本人』  ◆◇◆ 578号
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(有)テンプルビューティフルの光田菜央子です。


製品の輸入に尽力されてきたシナジーカンパニージャパンの元社長、若松英輔さん。
現在はその職を辞されて批評家としてご活躍中。また悲しみや心の痛み、死をテーマに
した素晴らしい著書も書かれています。


若松さんには、テンプル仕様の有機ひまし油入手にもご尽力いただきました。


さて、NHKで放映されている『100分で名著』という番組、本好きの私も楽しみにして
いる番組の1つですが(テレビがなくても、パソコンで視聴できるのです)、今月の
1冊として取り上げられた本が、内村鑑三先生の『代表的日本人』。

→内村鑑三先生は新渡戸稲造と同時代に生きた人物。洗礼を受けたクリスチャンでした
が、教会も儀式も聖職者もいらないのではないか、人は誰もが直接キリストと対話でき
るのではないかと「無教会」主義を説いた人でもあります。


私の本棚には、実は内村鑑三先生の聖書注釈全集がずらりと並んでおり、死ぬまで捨て
ない本リストに、この全集を入れているくらいなのです(聖書は読めなくても、内村
先生の聖書解釈は面白いのです!)、その内村先生が書かれた『代表的日本人』の解説
者として登場されたのが、なんと、シナジー製品でお世話になっていた若松英輔さん。

これは見逃せない・・・!と、さっそくオンデマンドで拝見しました。


解説が素晴らしい!


内村鑑三先生の『代表的日本人』は元々英語で書かれ、英語と日本語の対訳で出版され
ていたこともあり、私はこの本は英語を勉強するテキストのようなとらえ方をしていて
実は日本語でじっくり読んだことがありませんでした。

なので、あー、こんな本だったのかーと、若松さんの解説を聞きながら、あらためて
『代表的日本人』の内容をとらえ直しているところなのです。


内村先生がこの本で5人の日本人の生き様を英語で書き記した理由について、若松さん
はこう述べています。

「自分の文化に深く根ざすことと、世界に開かれていくことは同じなんだということ。
自分を愛するほど、自分と同じく他人にも愛するものがあると知る。つまり、日本に
大事なものがあるということは、世界にも同様に大事なものがそれぞれの場所にある。
そういうことを教えていくということになる」

「そしてこの本を偉人伝として読まない。自分とかけ離れた人の話ではなく、彼らも
自分と同じ人間であり、ただ自分とは違う役割を深く認識した5人なのだ」と。


最初の登場人物は西郷隆盛。

江戸城無血開城や西南戦争の英雄として私たちの記憶にある人物ですが、『代表的日本
人』の中で、内村先生は西郷隆盛について、こう記しています。


〜以下『代表的日本人』より抜粋〜

静寂な杉林のなかで「静かなる細い声」が、自国と世界のために豊かな結果をもたらす
使命を帯びて西郷の地上に遣わせられたことを、しきりと囁くことがあったのでありま
す。そのような「天」の声の訪れがなかったなら、どうして西郷の文章や会話のなかで
あれほどしきりに「天」のことが語られたのでありましょうか。のろまで無口で無邪気
な西郷は、自分の内なる心の世界に籠りがちでありましたが、そこに自己と全宇宙に
まさる「存在」を見いだし、それとのひそかな会話を交わしていたのだと信じます。

〜抜粋おわり〜


「静かなる細い声」は英語では(still small voice)。

これは旧約聖書の列王記で、神が預言者エリアに呼びかける時の描写で使われていた
表現。西郷隆盛はしきりに「天」ということを語ったようですが、西郷が語る「天」と
は、内村先生には、その預言者エリアと同じことが西郷隆盛にも起こっていた、我々と
同じ日本人、しかも同時代の人物に旧約聖書と同じことが起こっていたと思えること
だったようです。

では、なぜここで内村先生は西郷隆盛は「神の声を聴いた」と書かなかったのか? 
もしここで「神」と書いてしまうと、それはとても限定したものを表現することになり
神を信じていない人との対話を拒絶することになってしまう。

だから内村先生はここで「静かなる細い声」と表現した。キリスト教徒にはそれが旧約
聖書のエリアと同じ体験であることが推測でき、と同時に、それ以外の人にも受け入れ
られる言葉として。

また、西郷隆盛が使っていた「天」とは「大いなるもの」の意であり、神秘的であって
も、その神秘が西郷にとっては日常に根ざしていた、と若松さんは解説しています。


この番組には、解説本がNHKから出版されています。
西郷隆盛とこの「天」の関係性について内村先生が書かれた文章を、若松さんはこう
解説されています。


〜以下、テキストの抜粋〜

『「天」には真心をこめて接しなければならず、さもなければ、その道について知るこ
とはできません。西郷は人間の知恵を嫌い、すべての知恵は、人の心と志の誠によって
得られるとみました』

天に「真心をこめて接」するとは、自分の思いを天に届けようとすることではありませ
ん。むしろ、自分の願望を少し横に置いてみて、世に求められているように生きてみ
る、ということではないでしょうか。こういうふうに生きたい、絶対こうでなければ
受け入れられない、という態度から少し離れてみる。そうして待っていると自ずと、天
が自分を用いるようになる、と内村はいうのです。

〜抜粋おわり〜


まだ書き出したいことはたくさんありますが、これ以上になると、かなり長い文章に
なってしまいますので、興味が沸いた方は、水曜日の夜10時からの番組で。
再放送もあります。



今回は、他の本のご紹介をする予定でしたが、今月は若松さんの解説で内村鑑三先生の
本に浸っていただきたく、急遽、番宣のようなメルマガになってしまいました。

4回シリーズの2回が終わってしまったので、放映はあと2回です。

第2回:上杉鷹山と二宮尊徳
第3回:中江藤樹と日蓮
第4回:「後世への最大遺物」を読み解く



『100分で名著 内村鑑三』放映スケジュール(再放送あり)

『100分で名著 内村鑑三』(NHKテキスト)

テレビがない方は、パソコンで視聴できます(有料)

内村鑑三先生の聖書注釈全集は、絶版ですが、こちらで入手可能です。

若松英輔さんの著書
『エッセイ集 悲しみの秘義』

それでは、また!

(有)テンプルビューティフル メルマガ645号 2016年1月15日配信

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