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◆◇◆ 脳で考えることを手放してみる… ◆◇◆ 699号
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(有)テンプルビューティフルの光田菜央子です。
先日も少し触れましたが、いま私はパリ在住の友人、ジュリアンの過去20年間の体験を
本にしようと、ジュリアンと二人で原稿に取り組んでいるところです。
彼は、大学時代から、いわゆる「至高体験」「ワンネス体験」と云われる体験が続いている
人なのですが、言葉では到底説明できない体験をどう言葉で表現できるか(魂では理解でき
ても脳では理解できないというか…)、けっこう四苦八苦しています。
*ジュリアンの体験をご紹介したメルマガはこちら
そのため、彼と同じような体験をした方が、その体験をどのように表現しているか、書籍や
WEB検索でリサーチをしているさいちゅう。
*もし、参考になりそうな資料をお持ちの方はぜひ教えて下さい。
~例えば、合気道の開祖、植芝先生の体験~
『たしか大正14年の春だったと思う。私が一人で庭を散歩していると、突然天地が動揺して、
大地から黄金の気がふきあがり、私の身体をつつむと共に、私自身も黄金体と化したような
感じがした。それと同時に、心身共に軽くなり、小鳥のささやきの意味もわかり、この宇宙を
創造された神の心が、はっきり理解できるようになった。
その瞬間、私は『武道の根源は、神の愛ー万有愛護の精神ーである』と悟り得て、法悦の涙が
とめどなく頬を流れた。その時以来、私は、この地球全体が我が家、日月星辰はことごとく
我がものと感じるようになり、眼前の地位や、名誉や財宝はもちろんのこと、強くなろうと
いう執着も一切なくなった』
…ということで、
まず手始めに、トランスパーソナル心理学(意識拡大や自己超越を扱う心理学)のグロフ博士
の本を読み始めました。
世界各国で行われている宗教儀式や通過儀礼、シャーマニックな場においては、数時間にわたる
ダンスやドラムセッション、激しく早い呼吸やドラッグを用いて、参加者が変性意識状態になる
よう様々な手法を使っていきます。
変性意識状態になった人々は、通常の意識状態では体験できない、様々な神秘体験をする
ことになるのですが、読み進めていくと、トランスパーソナルな経験として羅列されている
内容が、ソマティック・エナジェティクスの会場で、時々参加者さんが体験することと
よく似ているのです。
変性意識状態になった人々が体験することとして、グロフは以下のような内容をあげています。
*文字数の関係で全文は紹介できないので、短くカットしています。
~ スラニスラフ・グロフ著『自己発見の冒険』より ~
空間的境界の超越を伴うトランスパーソナルな体験は、個人と世界との境界が固定されて
おらず、絶対的なものではないことを示唆している。
特殊な状況下では、宇宙全体を含む、宇宙のすべてのものと体験的に同一化することが
可能である。(中略)人間の体験の限界を超え、動植物の意識や無機物のプロセスにさえ
同一化する場合がある。極端な例では、全生命圏、惑星、全物質的宇宙の意識を体験する
ことも可能である。(中略)
もろもろの文化の神や悪魔との遭遇、こみ入った神話的場面、死亡した人の霊、超人的存在、
他の宇宙の住民の出現を報告する例もありふれている。(中略)
宇宙的象徴(十字架、輪つき十字架、陰陽、卍、五芒星や六芒星など)の直感的理解、中国の
哲学や医学で述べられている経絡や気エネルギーの流れの体験、クンダリーニの覚醒、様々な
霊的エネルギーの中心もしくはチャクラの活性化などがあげられる。(中略)
胚として存在していた時の出来事、受胎の瞬間、細胞、組織、器官の意識を体験した被験者の
報告は、それに関与するプロセスの解剖学的・生理学的・生化学的側面の医学的に正確な洞察
に満ちている。(中略)
不活性物質や無機質プロセスーー海の水、火、雷、火山活動、竜巻、ダイヤモンド、大理石、
さらには星、銀河、原子、分子ーーとの否定しがたい意識的同一化の感覚を抱くことも珍しく
ない。
(中略)
トランスパーソナルな体験の多くは、人間の感覚では直接到達しえない領域である小宇宙や
大宇宙の出来事、および太陽系の起源、惑星地球の形成、生命有機体の出現、中枢神経の
発達、ホモサピエンスの登場などに先立つ時代の出来事を含んでいる。
これは明らかに、いまだ説明されていない仕方で、1人1人の人間が全宇宙や全存在の情報を
含んでいること、宇宙の全ての部分へ体験的に接近しうる潜在的可能性をもっていることを
示唆している。
つまり、ある意味で人間は、宇宙の微小な一部、すなわち孤立した取るに足りない生物学的
存在でありながら、同時に全宇宙ネットワークであることが示唆されているのである。
~ 以上引用おわり ~
ジュリアンは、世界中の人たちと1つになるような至高体験、宇宙と一体になるようなワンネス
体験は脳には記憶されず、魂に記憶されるので、思い出すときには魂の記憶を呼び起こす必要が
あると言っています。
グロフが上記で書いているように、
私たちは
『これは明らかに、いまだ説明されていない仕方で、1人1人の人間が全宇宙や全存在の情報を
含んでいること、宇宙の全ての部分へ体験的に接近しうる潜在的可能性をもっていることを
示唆している。
つまり、ある意味で人間は、宇宙の微小な一部、すなわち孤立した取るに足りない生物学的
存在でありながら、同時に全宇宙ネットワークである』存在。
でも、その記憶を呼び覚ますには、いったん脳を離れることが必要なのかも…と、ここ最近
考えています。
瞑想もそうですし、肉体的な極限状態を体験するスポーツなどは、脳の判断を手放さないと、
命にかかわってきます。
最近3冊続けて読んでしまったヘリゲル氏の弓道の本は、いかに考えることから離れるか、
「わたし」を手放すかがテーマになっていました。
『無我と無私』オイゲン・ヘリゲル著
私たちは、脳が人間の司令塔だと考えてきましたが、脳で考えることを手放せば、実はもっと
豊かな世界が私たちの前に広がり始めるのかもしれませんね。
私は起きている時間は、本を読んでいるか、パソコンの前にいるか、スマホで何かを読んで
いるかですから、常に脳がON状態。
でも、ここにきて「考えることを止める」テーマが次々とやってきています。
今年の後半は、いかに脳で考えたり判断することを手放すか、それを自分のテーマにして
いきたいなと思っています。
それでは、また
(有)テンプルビューティフル メルマガ699号 2018年6月29日配信